母乳で育った乳児は丈夫であることに着目

母乳で育った乳児は丈夫であることに着目

母乳で育った子供は病気になりにくく、生まれてから三か月間の乳児は風邪をひかないなどという言葉を聞いたことはないでしょうか。

母乳にウイルスの感染を抑える防御機能があることは、医師や研究者の間でも着目されており、世界各地で研究が進められています。防御機能に役立っていると注目されているラクトフェリンは、哺乳動物の多くの乳に含まれる成分です。人間の母乳にも含まれ、特に出産初期の初乳に含有量が高く、乳児の健康維持や丈夫な体作りに役立っていると考えられています。

母乳だけでなく、唾液や涙、鼻汁といった体の分泌液や粘膜液、好中球と呼ばれる白血球の仲間にも含まれる成分で、外から入り込もうとするウイルスや病原菌、細菌による攻撃を防いで退治する防御機能があると注目されています。

母乳最高説からラクトフェリンへの注目が集まる

母乳中の感染防御成分として古くから注目されており、1939年にデンマークの研究者によって初めて報告されています。乳(ラクト)中の鉄(フェリン)結合物質として、成分の名称がラクトフェリンと定められて世界に広まりました。

出産して5日目ごろまでの初乳には1L当たりで約6g(600mg)が含まれ、出産3週間以降の母乳には2gほどが含まれています。牛の初乳には1Lあたりで約0.8g(80mg)、常乳の生乳で0.2gと、濃度は人間の初乳や母乳の10分の1程度でしかありません。

よく昔から粉ミルクで育った乳児より母乳で育った乳児の方が丈夫で、病気になりにくいなどと言われていたのは、これが1つの要因です。このため、各粉ミルクメーカーでは、いかにして機能や栄養成分を母乳に近づけるかを目標に研究開発を繰り広げてきました。

ラクトフェリンが感染症予防に働く

粉ミルクメーカーをはじめ、様々な健康食品メーカーや医療機関、大学の研究機関などで母乳に関する研究が続けられており、唾液の中にあるリゾチームというたんぱく質と共存すると、口内の虫歯菌を撃退する作用があることが認められています。

そこで、牛乳由来の成分でも同じことが起こるかを研究したところ、有害菌の1つである大腸菌を凝集させて死滅させる働きを確認できたとする研究成果も現れています。このように菌への対抗力強化が明らかになるにつれ、インフルエンザやピロリ菌、歯周病菌など様々な病原菌の感染リスクや感染後の症状の軽減や改善に働くのではないかと研究開発が進められています。

腸内の善玉菌を増加させる作用があることも分かってきており、ウイルスなどに対する直接の働きかけだけでなく、善玉菌の活性化をサポートすることで免疫力を高め、悪玉菌を撃退する作用にも注目が集まっています。

ラクトフェリンを摂取しやすいのはサプリメント

ラクトフェリンを摂取しやすいのはサプリメント

いかに免疫力の向上やウイルスや病原菌の抑制などに作用するといっても、乳児以外が母乳を摂取することは考えにくく、搾り立ての加熱殺菌されていない生乳が流通することはほぼ困難です。

牛乳は加熱殺菌をすることによって、熱に弱いラクトフェリンが死滅してしまうおそれがある上、胃酸にも弱く胃を通る間に有効成分が死滅してしまうため腸まで届きません。そこで、各メーカーの独自開発や工夫に基づいて有効成分を抽出して凝縮させ、ラクトフェリンの成分を熱や胃酸から守るコーティングやカプセルで守られたサプリメントが作られました

胃酸に強いサプリメントはビフィズス菌などの善玉菌増加作用も高いとされています。ラクトフェリンが腸まで届くサプリメントを摂取することによって善玉菌の活性化を高めて、免疫力強化を図りながら、病気になりにくい体作りを目指したいものです。

ラクトフェリンで感染症に強い体作りを

ラクトフェリンで感染症に強い体作りを

乳児をウイルスや病原菌から守り、病気になりにくい体作りをサポートするラクトフェリンを、細菌やウイルスなどからの防御や健康な体作りに役立てようとする研究が世界各機関で進められています。

もっとも、母乳の摂取は乳児以外には難しく、同じように有効成分が含まれる牛の生乳も市場に流通するのは難しいものです。我々が普段飲んでいる牛乳は生乳を加熱殺菌したもので、熱によって有効成分が死滅し不活性化しています。

また、胃酸にも弱いので食品からでは十分な有効成分の摂取が期待できません。そこで、熱や胃酸から守るコーティングなどを施し、有効成分を1つのカプセル内に凝縮させたサプリメントでの摂取が効率的です。

腸にあるビフィズス菌を増加させるなど善玉菌の活性化に役立ち、免疫細胞の活性化に働きかけることで、乳児以外の成人であっても、免疫力アップによる病気予防や症状の軽減など早期改善が期待できるようになります。